心臓疾患・腫瘍(がん)

心臓疾患の種類

心臓病と同じく、ペットの長寿・高齢化で癌(腫瘍)も非常に増えてきております。
わんちゃんの死因で最も多いのが癌です。犬も高齢になると体の機能や新陳代謝が低下してきて、がんにかかりやすくなってしまいます。
愛犬の寿命が延びるのは、飼い主としては喜ばしいことですが、その分健康管理には気をつけなければなりません。
猫ちゃんも高齢化が進むと腫瘍が出来やすくなります。猫の腫瘍は犬よりも悪性である割合が高いと言われておりますので、早期発見・治療が重要になります。

腫瘍は場所によって症状は様々ですが、しこりやおでき、口の中の異常・食欲不振などがあります。小さな症状を見逃さないようにしてあげましょう。

犬の心臓疾患の種類・治療方法

僧帽弁閉鎖不全症

シーズー、チワワ、トイプードル、ヨークシャー・テリアなどの小型犬に多くみられる心臓病で、初期には興奮しやすくなる、散歩中の軽く咳をする程度で、目立った症状はありません。しかし症状が進行するにつれて咳の頻度が増え、呼吸も乱れるようになり、散歩にも行きたがらなくなります。さらに進行すると、腹水、呼吸困難、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青白くなる)、失神などの症状が現れる場合があります。
僧帽弁には、心臓内の血液の逆流を防ぐ働きがあります。この僧帽弁が変形し、しっかり閉じることができなくなることで、僧帽弁閉鎖不全症は発症すると考えられています。しかし、僧帽弁が変形する原因についてははっきりとしていません。

【治療方法】

僧帽弁閉鎖不全症を完治させることは難しいため、主に血管拡張剤の投与、食事療法、運動制限などの内科的治療により症状の抑制・緩和をはかります。

肺動脈狭窄症

肺動脈狭窄症の原因ははっきりしておらず、遺伝的要因により起こるとも考えられています。軽度である場合には、あまり運動をしたがらない程度で、目立った症状はみられません。しかし重度である場合には、興奮時や運動時に突然倒れたり、呼吸困難などの症状が現れる場合があります。また、心不全を引き起こし命を落とす場合もあります。

【治療方法】

軽度で症状がなければ、治療を受けなくても日常生活が送れる場合があります。ただし、症状が進行することもありますので、定期的に検査を受ける必要があります。症状がある場合には投薬による内科的治療、症状が重度である場合には、カテーテルによって狭窄部分を拡げる手術などを行う場合があります。

動脈管開存症

動脈管開存症は先天性の病気で、生まれてまもなく自然に閉じるはずの胸部大動脈と肺動脈を繋ぐ動脈管が、閉じずにそのまま残ってしまうことで、血液が大動脈から肺動脈に流れ心臓に負担をかけ、様々な症状を引き起こします。
軽度の場合、5~6歳ごろまでは症状が現れないこともあります。しかし、5~6歳を過ぎた頃から、咳、食欲不振、呼吸困難、動きたがらなくなる、心不全などの症状が現れる場合があります。重症の場合には生後1~2ヶ月ごろから呼吸困難、食欲不振などの症状が現れ、最悪の場合、命を落としてしまうこともあります。

【治療方法】

軽度である場合には、運動制限や薬剤による内科的治療を行います。重度である場合には、手術による外科的治療を行う場合があります。

心室中隔欠損

心室中隔欠損とは、先天的に心室中隔(左心室と右心室の間にある壁)に穴がある状態のことを言い、左心室と右心室が繋がってしまうことで、心臓に様々な障害を引き起こします。穴が小さければ目立った症状は現れませんが、穴が大きい場合には、疲れやすくなる、発育不全、呼吸困難、咳などの症状が現れる場合があります。

【治療方法】

穴が小さく症状がなければ、特に治療の必要はありません。ただし、経過観察は必要となります。穴が大きい場合には、手術によりそれを塞ぎます。早期に発見し治療すれば、健康な犬と同様に寿命をまっとうすることも可能です。

大動脈狭窄症

大動脈狭窄症とは、大動脈弁のまわりの血液の経路が狭くなり、血液が心臓から出にくくなる病気です。犬の場合、一般的にはゴールデン・レトリーバーなどの大型犬によくみられるとされています。軽度であれば症状が現れないことも多いのですが、重度の場合には疲れやすくなる、失神などの症状を引き起こし、最悪の場合、命を落とすこともあります。

【治療方法】

軽度で症状がなければ、治療を行う必要がないか、あるいは投薬し経過観察します。しかし重度で症状がある場合には、狭くなっている血液の経路を拡げることで、血液の流れをスムーズにします。

猫の心臓病の種類・治療方法

心筋症

心筋症とは、心臓の筋肉である心筋に異常が生じることで、心臓の機能が損なわれた状態を言います。激しい咳、呼吸困難などの症状が現れ、症状が進行すると手足に浮腫ができる、腹水などの症状が現れる場合もあります。
心筋症には、左心室の筋肉が肥大することで、心室が狭くなり1回に送り出す血液の量が減少する「肥大型心筋症」や、心筋が細く伸びることで左心房と左心室の壁が薄くなり、十分な血液を送り出すことができなくなる「拡張型心筋症」などの種類がありますが、なぜこういったことが起こるのか、はっきりとした原因はわかっていません。

【治療方法】

症状に合わせて、利尿剤、強心剤、血管拡張剤、抗不静脈剤など投与します。進行性の病気なので、症状がみられない場合でも継続的に治療を受けるようにしてください。

当院が行っている心臓疾患の検査

  • レントゲン検査
  • 心エコー図検査
  • 心電図検査
  • バイオマーカー

腫瘍(がん)

心臓病と同じく、ペットの長寿・高齢化で癌(腫瘍)も非常に増えてきております。
わんちゃんの死因で最も多いのが癌です。犬も高齢になると体の機能や新陳代謝が低下してきて、がんにかかりやすくなってしまいます。
愛犬の寿命が延びるのは、飼い主としては喜ばしいことですが、その分健康管理には気をつけなければなりません。
猫ちゃんも高齢化が進むと腫瘍が出来やすくなります。猫の腫瘍は犬よりも悪性である割合が高いと言われておりますので、早期発見・治療が重要になります。

腫瘍は場所によって症状は様々ですが、しこりやおでき、口の中の異常・食欲不振などがあります。小さな症状を見逃さないようにしてあげましょう。

犬の腫瘍(がん)の種類

脳腫瘍

脳腫瘍は、中・高年齢の犬に多くみられます。発症しても目立った症状が現れないこともありますが、部位によってはてんかん発作、ねんてん斜頸、歩行時のふらつき、痙攣、神経麻痺などの症状が現れることがあります。

前立腺腫瘍

前立腺腫瘍の原因ははっきりしておりません。ホルモンが関与しているのではないかという考えもあります。発症すると、尿の量が減る、量が出にくくなる、便秘などの症状がみられます。前立腺腫瘍は、発見した時にすでにリンパ節や肺に転移していることが多いことから、有効な治療方法はないとされています。

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍はメスに多くみられる腫瘍で、乳腺にしこりが生じるなどの症状が現れます。適切な時期に避妊手術を受けておくことで、発症を高い確率で減少させることができます。

脂肪腫

脂肪腫は、皮膚に脂肪の塊のような腫瘍ができる病気です。良性なので命に関わることはなく、健康にも害を及ぼすケースは少ないのですが、筋肉の間に発生した場合には、歩行に障害が生じる場合があります。

リンパ腫

リンパ腫は、体の免疫を担うリンパ球ががん化する病気で、中・高年齢の犬によくみられるとされていますが、若い犬にも発症することはあります。発症すると、食欲低下、嘔吐、下痢、疲れやすくなる、咳、呼吸が荒くなるなどの症状が現れます。

猫の腫瘍(がん)の種類

乳腺腫瘍

乳腺腫瘍は、乳腺にできる腫瘍です。猫がかかる腫瘍のなかでも比較的発症しやすく、そのほとんどは悪性であると言われています。小さな腫瘍でも転移する可能性が高いので、早期発見が重要となる病気です。

リンパ腫

リンパ腫は、体の免疫を担うリンパ球ががん化する病気で、猫が発症する血液とリンパの腫瘍のなかでも最も多く、半分以上は猫白血病ウイルスの感染が関与しているとされています。てんかん発作、下痢、食欲低下、体重が減る、疲れやすくなる、嘔吐、咳、チアノーゼ(皮膚や粘膜が青白くなる)などの症状が現れます。

肥満細胞腫

肥満細胞腫は、肥満細胞が腫瘍化することで起こる病気です。発症する場所により、「皮膚型肥満細胞腫」と「内臓型肥満細胞腫」に分けられます。中・高年齢の猫に多くみられますが、若い猫にも発症する場合があります。下痢、嘔吐、食欲低下、体重が減るなどの症状がみられます。

うさぎの腫瘍(がん)の種類

子宮腺腫瘍

子宮腺腫瘍は、避妊していないうさぎに多くみられます。膣からの出血、食欲低下、元気がないなどの症状が現れます。

乳腺腫瘍

避妊手術を受けていないうさぎで、子宮腺腫瘍に次いで多いのがこの乳腺腫瘍です。症状が進行すると、乳腺のしこりのある部分の皮膚がただれ、出血することもあります。

腫瘍(がん)の治療方法

腫瘍の種類によっても異なりますが、基本的には化学療法や外科的治療、あるいはその併用により治癒をはかります。そのほか、放射線治療にも対応しております。もし、高度な手術が必要な場合には、高度診療施設(二次診療施設)をご紹介させて頂きます。

動物たちのために、患者様とともに最善の治療方法を考えていきます

大阪市西成区の高橋動物病院では、もし悪性の腫瘍(がん)と診断され手術が必要となった場合には、治療方法にはどういう種類があり、どの程度の侵襲があるのか、そして治療後、どういう外貌になる可能性があり、生活がどういう風に変化する可能性があるかなど、写真を使って詳しくご説明します。それをよくご理解頂いた上で、患者様に選択して頂くようにしております。

飼い主様のご要望により様々な治療方法を提案することが可能ですので、最善の方法を一緒に考えていきましょう。悪性の腫瘍と診断されても決して気落ちすることなく、前向きに治療を受けて頂ければと思います。

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